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3日くらい前、道すがら、生け垣の木の根元にドデンと転がっている猫を見た。寝てるとも死んでるともつかない様子で、動かない。
ぽかぽか暖かい陽を浴びていて、昼寝中にも見える。でも昼寝場所にしては人通りが多すぎる。けど死んでいるにしては太りすぎな程健康体だし、事故にあった様子もない。
私は相当に暇なため、猫の死を弔うのに、私以上に最適な人間は現れないだろうと思った。私はそれはそれは暇なのだ。なので猫の所まで引き返して、様子を伺ってみた。
猫は、寝息で体が上下せず、やっぱ死んでいた。私の脇を老人が通って、どうしたの?と私に声を掛け、猫が死んでるみたいで…と私が答えると、ありゃりゃ可哀想だ、私は猫びいきだからね、可哀想だ…と言いながら猫をまじまじと見て、ありゃりゃ可哀想だ、可哀想ですねぇ、と言いながら、カートを引いてどこかに行った。一人加勢したかと心強く思っていたら、去ってしまった。
どうするべ…と思っていると、先ほど通り過ぎた道で、ベビーカーを押した同級生にすれちがって挨拶したことを思い出した。チャリで同級生の元まで言って、すまんが猫の死体処理を手伝ってくれないかと頼んだ。
彼女は猫をみるとすぐに、この猫は10年前、自分の家の庭にえさを食べにきた猫に違いない、模様と短いしっぽが同じだから、絶対にそうだ、だったら10年以上生きているから長生きだろう、悔いは無いだろうということをいっぺんに喋った。えーそれはちょっと疑わしいわ、猫の縞模様はもっとも一般的なそれだし、しっぽの短い猫って全然珍しくないし、そういえばこの子って思い込み激しかい子だったなぁという失礼な事を考えて、小学校の記憶をしみじみ思い出したりして、とにかく私たちは2人で手分けして、穴を掘るスコップやら、猫を包むタオルやらを持ち寄る事にした。
スコップ!100円均一で買う!と思ってチャリを走らせていたら、市民センターが目に入ったので、もしかしたらスコップ貸してくれるかも…という望みを持って中に入り、職員の方に事情を話してみた。すると、職員の女性は、ご報告ありがとうございます、保健所に電話しましょう、と提案した後、分厚い本の索引からてきぱきと保健所の電話番号をみつけ、あっというまに電話をして、車を手配してくれた。私はお礼を言って、もう一度猫の場所に引き返した。友達がタオルを持って待っているはずだ。
猫の場所で、友達が現れるのを待っている間、私はこの猫がどうやって死んだのか、ということについて考えた。衰弱ではない、デブ猫だから。老衰ではない、若々しい毛並みだから。事故ではない、綺麗な体をしている。陽に当たっている猫の体半分を触ると、ぽかぽか温かかった。木の影に入っている部分を触ると、冷たくずっしりと固い肉感があった。死んでいるなぁ。猫は死ぬとき姿を消すというのに、わざわざこんな場所を選んで死ぬはずがない。町の中でも1番か2番くらいに車と人通りの多い道路脇で。ふと気づくと、猫の頭の所に、ツバキの赤い花が飾ってあった。む。猫の死んでいるのを見て、でもどうしたら良いか分からない人、小さい子なんかが、飾ってあげたのかな。でもこの辺にツバキは咲いていないし。じゃあ、家で飼っていた猫を、死なせてしまった飼い主が、誰か埋葬して下さい、てことで目立つところに置いてあげたのかな、でこのツバキは、ごめん、か。まさか放射能で死んだとかなら大問題だな。私には知りようも無い話だ。
友達が来たので、保健所が処理してくれることを伝えて、その場を去ることにした。気づくと、近所の高校生が何十人何百人とその道を通って帰宅する時間になっていた。猫が皆の目に付くだろうと思ったので、保健所に連絡済みです、というメモを猫のそばに残して石で押さえておいたのだけど、それがまるで目立ってしまって、この死んでる猫にご注目、みたいな意味すら持っているように見えて、よけいな事したかなぁという気になった。猫は死ぬの見られたくないだろうな、猫界からしたら、この猫死んでます、という標識は最も不名誉な代物かもしれない。それでも死者は沈黙し、死猫も沈黙、私もおもんぱかる事しかできません。
tumblrで流れて来たこの写真と、私の見た猫の死体とツバキの花のシンクロ率にびっくりしました。よってつまらないことを詳細に書いてしまいました。
(via shinchin)
Posted on November 16, 2011 via 嗜好の垂れ流し with 221 notes
Source: shinchin
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